2023.03.30 20:03雷乃発声七十二候はきょうから12番目の雷乃発声(かみなり すなわち こえをはっす)が始まります。寒冷前線の通過によって起こる雷が遠くで聞こえる時期になります。時には雹や雪が降ることもあります。かみなりは「神鳴り」が語源です。鬼の姿で背中に太鼓を背負う雷神が引き起こす雷はとても恐ろしいものでした。平安時代に大宰府に流された菅原道真の恨みが雷となり宮中に落ちたと信じられました。その時、落雷を避けた場所が桑原で...
2023.03.29 20:26蒸(ヂョン)中華料理では蒸気で加熱する調理法を蒸(ヂョン)と言います。北方の米がとれない地方で小麦が育てられ、肉まんや蒸し餃子の作り方として発展しました。強火で短時間、蒸す方法を清蒸(チンヂョン)、密閉容器に入れて食材が直接蒸気に触れないようにするのは早蒸(ザオヂョン)、米粉を加えると粉蒸(フェンヂョン)と呼び分けます。また蒸気を使わずに直火、もしくは熱した気体で加熱する方法を烤(カオ)と言います。和食では食...
2023.03.28 18:48育てるから食べるまで食堂で使う野菜、季節のものはなるべく自分で作っています。プロの農家が作る野菜にかなうわけはありません。しかし、農薬や化学肥料を使わないので、お客様の体と心にプラスになるのは間違いありません。医療や福祉、薬の世話にならず自活できる年齢を伸ばすことは世界でも類を見ない超高齢化が進む日本社会の大きな課題です。口から入るものが私たちの体を作ります。何を飲み、何を食べたか。その積み重ねが体を維持していきます...
2023.03.27 18:25きたかむいことしのジャガイモはきたかむい。初めて入手しました。果肉が白く、形が丸い、ほくほく系のジャガイモです。別名「大地のりんご」と呼ばれるほど甘く、ビタミンとカリウムを豊富に含んでいます。「イエローシャーク」と「とうや」という品種を交配して作られ、2007年に北海道の優良品種に選ばれました。カムイはアイヌ語で神様、北の神様という意味です。北海道が生産地トップです。生産量が少ないので全国的な流通はあまり見...
2023.03.26 21:39桜始開11/72七十二候はきのうから11番目の桜始開(さくらはじめてひらく)が始まりました。桜は自生種が100種以上、改良種が200種以上もあります。花の蜜専用のくちばしをもつメジロが花の間を行き交う河津桜はややピンクの強い桜です。ショッキングピンクの寒緋桜は花ごと散ります。花が大輪で淡いピンクの陽光桜は寒緋桜を親にした交配種です。源氏の白旗になぞらえる大島桜は自生種です。白い花を咲かせます。江戸の染井(現在の豊...
2023.03.25 17:34炒(チャオ)中華料理の調理法で炒めることを炒(チャオ)と言います。とくに強火で一気に炒める場合は爆(バオ)と言います。青菜の炒め物は炒青菜(チャオチンツァイ)、米の炒め物は炒飯(チャオファン)です。和食にも炒めものがあります。ともにフライパンに少量の油を敷いて短時間で食材を加熱します。高温で一気に加熱するので野菜では栄養素を壊しづらく、焼くよりも適した調理法です。炒め物は短時間で完成させるので、事前に食材に味...
2023.03.24 21:25焼(シャオ)日本料理と中華料理では煮る調理法が異なります。あらかじめ炒めたり揚げたりした食材をスープを加えて煮込む調理法が焼(シャオ)。中華料理では食材を加熱して衛生状態を保ってから煮込みます。紅焼肉(ホンシャオロゥ:赤い豚の煮込み)と言えば豚の角煮のこと。紅焼豆腐(ホンシャオドウフ:赤い豆腐の煮込み)は麻婆豆腐のこと。本来の麻婆豆腐は事前に豆腐もしっかり塩茹でしてから使います。これに対して日本料理では食材を...
2023.03.23 20:26彼岸明けことしの春の彼岸はきょうまでです。脈々と続く命の連鎖に感謝する先祖信仰と太陽神をたたえた日願信仰とが結びついた彼岸の行事は他の仏教国にはありません。ぼたんの咲く春はぼた餅、萩の咲く秋はおはぎ。同じ和菓子ですが呼び方が異なります。秋に収穫する小豆は皮が柔らかいのでそのまま使うつぶあん、皮が硬くなる春は皮を除いたこしあんが一般的です。春分を過ぎると昼の時間が長くなり、気温が上昇していきますNo.131...
2023.03.22 21:20炒め物江戸時代の書物『日々徳用倹約料理角力取組』には野菜を使ったきんぴら炒めが載っています。和食では煮物・焼き物・和え物が一般的でした。油脂がなかったので植物油のみの時代です。性能のよい圧搾技術が普及していなかったので植物油はとても貴重でした。てんぷらは高価な食べ物でした。明治時代になってバターが輸入されても、油脂を大量に使う炒め物は料理本に登場していません。1920年にベンジン抽出法によって大豆油が大...
2023.03.21 20:19雀始巣10/72きのうから七十二候は10番目の雀始巣(すずめはじめてすくう)が始まりました。小鳥たちが繁殖期に入る時期になりました。桜の蜜を吸うメジロやシジュウカラ、ヒヨドリが枝の間を飛び回り、その揺れで花びらが舞っています。ウグイスは昆虫食なのであまり花のある木にはいません。アフリカから広がったスズメはひとと近いくらしをするために茶色と黒の地味な色に変わったそうです。この時期のスズメが集団でにぎやかに鳴いている...
2023.03.20 20:19春分4/24二十四節季は今日から春分が始まります。国立天文台が決める春分の日は今日です。古代や中世までは京都の公家たちが花見をしていました。豊臣秀吉が華美な花見をしたことが江戸時代のにぎやかな花見の由来と言われています。春分の日を境にして昼間の時間が夜の時間よりも少しずつ長くなっていきます。新玉ねぎが旬を迎えます。古代エジプトでも食べられていたそうです。日本には明治時代になってから輸入されました。新玉ねぎはポ...
2023.03.19 21:03食品ロスをなくすために飲食店の多くはお客様の注文に応じるためにすべてのメニューに対応する食材を用意しています。しかし、食材は時間とともに消費期限を迎え、注文が入らなかったときは廃棄されます。廃棄ぎりぎりまで他の調理に使ったり、日替わり品に入れたり、まかないに回したりと工夫はするでしょう。それでも完全に使い切ることは困難です。仕入れ量が多すぎるからです。食堂ではコース料理に限り、ご予約を受けてから必要な分量の食材を仕入れ...