2024.06.29 20:13ソースヒストリー5 フランスフランスの代表的なソースは4種類。ベシャメルソースは日本のホワイトソース。小麦粉や牛乳、バターで作った味わいがあります。グラタン、ホワイトシチュー、パスタなどに使われます。マデラソースはマデラ酒をベースに作られたソース。肉料理に使われます。甘みがあり、食べやすいソースです。ヴァンルージュソース。ヴァンジュールは赤ワインのこと。赤ワインで作られたソースです。煮詰めて作られたソースは肉料理との相性が抜...
2024.06.28 20:06ソースヒストリー4 イタリアイタリアの代表的なソースは3種類。トマトソースはトマトを煮込んで作ります。パスタソースや肉料理・魚料理のソースとして使われます。ニンニクやチーズを入れてアレンジもたくさんあります。パスタソースの代表格がミートソース。ひき肉とみじん切りの野菜、トマトを煮込んで作ります。ホワイトソースと合わせてグラタンやドリアにも使われます。ボロネーゼソースは1982年にイタリア料理アカデミー・ボローニャ支部によって...
2024.06.27 21:19ソースヒストリー3 日本のソース現在、日本で使われているソースは主に3種類。ウスターソースは野菜や果物に香辛料を加えて作られたソースです。辛口な味わいでとろみがありません。料理の隠し味として使われることもあります。中濃ソースは果物を多く使用しているので甘口でとろみがあります。主に揚物にかけて使われます。ウスターソースと中濃ソースはともに英語ではWorcestershire sauce(ウスターシャーソース)。濃厚ソースは中濃ソー...
2024.06.26 17:41ソースヒストリー2 リー&ペリン日本では現在、代表的なソースはウスターソース類、トマトソース類、マヨネーズ・ドレッシング類、パスタソース類、中華ソース類、たれ類をあげることができます。とりわけ一般的にはブラウン系のウスターソース類をソースと呼びます。これは19世紀後半に欧米との通商を開始した当初から伝来した洋風調味料だったからだと思われます。ウスターソースはイギリスのウスターシャー州の州都ウスターで初めて作られました。まだ冷蔵庫...
2024.06.25 19:36菖蒲華29/72きょうから七十二候は29番目の菖蒲華(あやめはなさく)が始まります。菖蒲と書いて「あやめ」と読みます。ショウブはサトイモ科ショウブ属、端午の節句の頃に浸かる菖蒲湯の花。アヤメはアヤメ科アヤメ属、花びらに文目(あやめ)があるのが特徴です。ちなみにハナショウブはアヤメ科です。ショウブは水辺に自生し、アヤメは渇いたところに育ちます。曇りでも雨でも紫外線は降り注いでいます。晴れの暑い日だけでなく、昼の時間...
2024.06.24 19:59ソースヒストリー1 SALソースは英語、フランス語、ドイツ語でどれも同じスペルの「SAUCE」。語源はラテン語の「SAL」。これは給料を意味するサラリーと同じルーツでラテン語のサラリウムから発し、原義は「塩の供給」です。そこからソースとは塩を使った液体調味料の総称と言えます。世界各地で地域特有の食文化に応じたソースが多数存在します。フランス料理、イタリア料理では料理の主材料をさらに美味しくするために料理ごとに調和するソース...
2024.06.23 20:02味噌物語17 Miso現在は北海道の音威子府村から沖縄県の与那国町まで全国各地で地域に根差した味噌が製造されています。高度な技術や多額の資本が必要ではないところが理由です。同じ穀物由来の醤の醤油のように特定地域に集中していません。多くの製造業者があるので、味噌は多機能化と差別化が進んでいます。素材の違い、出汁入り、カルシウム入りなど。食卓に置く「つけるみそ」もあります。2000年以降、味噌の全出荷量は減少、2015年に...
2024.06.22 19:59味噌物語16 仙台味噌から信州味噌へ戦前の東京では仙台味噌が普及します。食料統制下の1944年、中田営造(マルマン創業者)が醸造中の温度管理の適正化を進め、中田式速醸法を開発。これにより戦後、信州味噌が全国に普及します。戦時下の配給制のもとでは品質も規格も問われなかったので味噌の品質は大きく低下しました。そのこともあり全国の農家では昭和30年代まで多くが自家製の味噌を作っていました。昭和40年代までは酒屋などで醤油や味噌が量り売りさ...
2024.06.21 18:10味噌物語15 明治時代明治時代の味噌は1年から3年間醸造しました。当時の「言海」には味噌が3つに分類されています。白味噌(豆の皮を取り白麹で作る・色が白く甘い)、赤味噌(白大豆で作る・色が赤い)、玉味噌(豆を臼で砕かずに庖丁で刻み、藁に包んで熟成させる)。蒸したり茹でたりした大豆を潰して団子にして、藁にくるんで軒下に吊るし、枯草菌や納豆菌の力で熟成したものを塩水と合わせて仕込む玉味噌は現在でも残っています。帝国陸軍の糧...
2024.06.20 18:08夏至10/24きょうから二十四節気は10番目の夏至(げし)が始まります。昼間の時間がもっとも長くなる頃になりました。日本列島は梅雨の時期なので雨雲が空を覆い、昼間が長くなっていることに気づきにくいのが例年でした。しかし、昨今は豪雨と夏日が交互に繰り返したり、空梅雨だったりして、太陽を長く感じるようになっています。現在のように低温でも育つ稲が開発される前までは田植えは梅雨の頃でした。そのため農家の梅雨は繁忙期。雨...
2024.06.19 19:39味噌物語14 納豆汁「なっと切る音しばし待て鉢たたき」(松尾芭蕉)。納豆を細かくたたいて、青菜と豆腐を入れた栄養たっぷりな朝の味噌汁(納豆汁)が江戸っ子の活力源でした。当時の江戸の人口はなんと50万人。関東近郊の生産量では味噌がまかなえません。家康出身地の三河から三州味噌、仙台味噌が海路で江戸に送られました。江戸の町では味噌屋が繁盛。それに合わせる野菜も同じように集まりました。うなぎは最初ぶつ切りにしたものに味噌をつ...
2024.06.18 20:09味噌物語13 戦社会の糧足利政権が影響力を弱め、各地の守護地頭が武力によって政権から独立した15世紀半ばからの100年間。大名と呼ばれる守護地頭さえも、地元の豪族たちによって滅ぼされる血で血を洗う社会では足軽や寄騎たちに十分な糧食を用意することが必要でした。主従関係が利益で成立していたので食べ物が用意できない主のもとからは脱走する兵士たちがたくさんいました。この時代、発酵食品の味噌を運搬することが課題になります。同時に醸...