2023.09.29 20:23栄養強化剤栄養成分を強化する目的で食品に添加されるのが栄養強化剤です。健康の維持に欠かせないビタミン、アミノ酸、ミネラル。食品からだけではなかなか必要量が満たされないので、不足分を補うために多くの加工食品に使われています。製造や貯蔵の段階で添加され、食品本来の栄養にはない成分です。L-アスコルビン酸、エルゴカルシフェロール、リボフラビン、β-カロテンなどのビタミン類。亜鉛塩類、塩化カルシウム、水酸化マグネシ...
2023.09.28 18:231日摂取許容量食品添加物の安全性はヒトと同じ哺乳類のラットで実験されていることが多いです。毒性が消える量の1%を1日摂取許容量(ADI)としています。しかし、同じ哺乳類とはいえヒトとラットはまったく同じではありません。毒性に関する安全性の最終確認はヒトによってなされていると考えられます。また大きな問題は個々の添加物については安全性が報告されていても、異なる添加物の複合摂取による毒性については評価方法が現在も確立...
2023.09.27 21:12蟄虫坏戸47/72きょうから七十二候は47番目の(むしかくれてとをふさぐ)が始まります。冬に備えて虫たちが土にもぐる準備を始める時期という意味です。ここでいう虫は昆虫ではなく、カエルやヘビのこと。かつては小動物全般を虫と呼びました。ちなみに虫という漢字は象形文字で「ヘビ」を形どったものです。人、鳥、獣、魚に属さない生き物を虫と呼ぶようになりました。蛇、蛙、蜥蜴、蝦、蛤、蜆など虫偏がつきますね。空を貫く大蛇が龍になる...
2023.09.26 20:15社日きょうは秋の社日(しゃじつ・しゃにち)です。社日は春と秋の2回あります。春分と秋分にもっとも近い戌(いぬ・つちのえ)の日が社日です。春を春社、秋を秋社と呼びます。戌には土の意味があり、豊作を祈る日として古くから中国で信仰されていました。社は土地の神様。これが日本に伝わり、土地の神様を信仰する風習と合致して定着しました。春は五穀の種を供えて豊作を祈願、秋は初穂を供えて収穫を感謝します。社日は土地の神...
2023.09.25 20:12コチニール色素コチニール色素は高水準の安全性が認められている天然由来の食用着色料です。サボテンに寄生するエンジムシの乾燥体から抽出される赤い色素。食品(清涼飲料水・ハム・菓子・かまぼこ)以外にも化粧品(口紅・アイシャドー)、医薬品、染色など広く使われています。しかし、コチニール色素を使った食品を食べたり化粧品を使ったりして、かゆみ・湿疹・じんましん・呼吸困難などのアレルギーが出た報告もあります。1998年から2...
2023.09.24 18:10着色料商品の売れ行きやイメージアップに欠かせない食品添加物が着色料です。天然由来が91品目、合成(タール色素)が33品目あります。合成着色料の原料は石油精製で得られるナフサです。動物実験の結果から使用を禁止している国が多く安全性に疑問があります。天然由来のセイヨウアカネは長く加工肉や菓子類に使われてきました。ラットを使った実験で腎臓の尿細管に悪性腫瘍が認められ使用禁止になりました。韓国では現在も使われ欧...
2023.09.23 20:16物質名表示保存料と似た役割をする食品添加物に防腐剤と日持向上剤があります。防腐剤は微生物の繁殖を防ぎ腐敗や発酵を防ぐ薬です。日持向上剤は総菜やサラダなど消費期限の短い食品に使われます。数日間の腐敗や変敗を防ぎ食中毒防止に役立ちます。保存性はありません。日持向上剤にはグリシン、リゾチーム、チアミンラウリル硫酸塩、ローズマリー抽出物などがあります。これらは法律で「日持向上剤」と表示する義務がなく、物質名だけが表...
2023.09.22 20:32秋分16/24きょうから二十四節気は16番目の秋分が始まります。昼と夜の時間がほぼ同じになる秋分の日は法律で決められていて、ことしはきょうです。地球は太陽の周りを365日5時間48分45.147秒で一周しています。4年で一日以上ずれるのでうるう年(366日)にして調整していますがそれでも少しずつずれ幅が大きくなります。このため太陽が黄道180度の秋分点を過ぎる瞬間(法律で秋分の日と決められている条件)は少しずつ...
2023.09.21 17:46表示されない保存料現在の法律では保存料が使われていても原材料表示しなくていいものもあります。食品を加工するときに使われた原材料に保存料が使われいても最終的な加工食品になった時、保存効果が認められないほど微量になれば表示義務はありません。おかきを作る時に味付けで保存料を含む醤油を使っても「おかきの」品質保持に役立たないので表示されません。キャリーオーバーと呼びます。また保存料を回避するために開発されたpH調整剤。これ...
2023.09.20 19:37優先度の違い食品添加物の保存料は食中毒を防ぎます。保存料を増やして食中毒のリスクを減らすか、健康を重視し保存料を減らして食中毒のリスクを増やすか。優先度の違いで口にする食品が変わってきます。保存料の危険性としては、発がん性、染色体異常、骨形成不全が報告されています。厚労省の基準ではこれも一日に摂取できる最大量を越えなければ一生摂取しても安全という考え方です。しかし同じ保存料が異なる食品に使われています。それら...
2023.09.19 19:18彼岸の入りことしは今日から秋の彼岸が始まります。仏教では人間が生きる世界を此岸(しがん)、その反対側に極楽浄土の彼岸(ひがん)があります。春分と秋分の時期は太陽が真東から上がり真西に沈みます。此岸が真東、彼岸が真西にあると仏教の聖地インドでは古くから考えられていました。そこで此岸と彼岸の距離がもっとも短くなる時期に六波羅蜜と呼ばれる修行を僧侶が行いました。古来日本では仏教伝来以前から作物を育てる太陽を信仰す...
2023.09.18 20:10保存料食品は時間がたてばたつほど傷みます。テイクアウトや総菜などで食中毒が起こる遠因です。コロナにより飲食店でもテイクアウトを始めるところが増えましたが、「その場で食べてほしい」というのが本音でしょう。この時間の流れに逆らうために開発されたのが食品添加物の保存料です。細菌やカビ、酵母などが付着しても増殖を抑えて食品の日持ちをよくします。昔から塩や砂糖に漬けると保存性が高まることが知られていました。しかし...