2024.06.15 19:22梅子黄27/72きょうから七十二候は27番目の梅子黄(うめのみきばむ)が始まります。昼間の時間が最も長くなる夏至。この時期、日本列島はこれまで梅雨前線が停滞し、日光を雲が遮っていました。しかし、昨今は偏西風の蛇行や前線の南下などによって、しとしと雨が長く続くのではなく猛暑と暴風雨の時期になってしまいました。この時期は梅の実が黄ばみ始めます。我が家でも梅干しを仕込みました。梅雨明け後の猛暑が続く頃、土用干し。天日を...
2024.06.14 20:51味噌物語10 手前味噌「本朝図鑑」(1695年)によると「味噌は上下四民とも朝夕に用いた」「一日になくてはならいもの」「大豆の甘、温は気をおだやかにし、腹中を広げて血を生かし、百薬の毒を消す。麹の甘、温は胃の中に入って、食及びとどこおりをなくし、消化をよくし閉塞を防ぐ。元気をつけて血のめぐりをよくする」効果があると記されています。庶民は経験に基づく伝承によってそれぞれの家家で手前味噌を醸造し、調味料としてだけでなく、健...
2024.06.13 18:02味噌物語9 ひとり一斗朝廷から政権を奪い、京から遠く離れた鎌倉に政治の中心を移した源政権。これを支えた武士たちの食事は一汁一菜でした。一日に五合の玄米ご飯、味噌汁と魚の干物が一般的でした。玄米からカロリーを、干物からカルシウムとタンパク質を、味噌から栄養が摂取できる理想的な食事でした。この食事はその後、多くの日本人にとって食の基本になり20世紀前半まで900年間も続きます。米は時代とともに玄米から白米になったり麦や稗に...
2024.06.12 20:03味噌物語8 原点味噌は中国大陸、もしくは朝鮮半島を経由して伝わったと言われています。古代中国の醤を源にしています。現在の味噌は日本で独自に製法が編み出されたものです。「周礼(しゅうらい)」という古代中国の文書に醤という字が登場。日本では「ひしお」と読みました。現在の中国には辣醤(豆板醤)、甜面醤、暇醤、豆鼓などがあります。韓国料理ではコチジャンが欠かせません。日本の味噌、醤油を加えると発酵調味料ロードが完成。反対...
2024.06.11 19:46味噌物語7 作り方「マルコメ」が米味噌の作り方を公開しています。カナダやアメリカから大豆を輸入。洗浄して一晩浸水します。たっぷり水を吸った大豆を水切りして温めます。高温高圧で短時間蒸します。これによって鮮やかな山吹色になります。細かくつぶします。大豆、米麹、塩、種水を混合し、よく混ぜます。タンクに仕込みます。発酵、熟成させ、数ヶ月後に熟成味噌が完成します6月12日(水)は定休日ですNo.1760
2024.06.10 20:19味噌物語6 味味噌の味は、甘味・塩味・旨味・酸味・苦味・渋味が複雑に絡み合っています。米のデンプンは麹のアミラーゼにより分解されるので米麹の多い味噌ほど甘味が強くなります。糖分は熟成期間が長くなると酵母や乳酸菌によって消費され減少します。大豆たんぱくが分解してアミノ酸(グルタミン酸)ができるので熟成の進んだものほど旨味が増します。また塩味・酸味・甘味が調和し、良い香りと適度な粘土によっても形成されます。熟成が進...
2024.06.09 20:12腐草為蛍26/72きょうから七十二候は26番目の腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)が始まります。鎖国政策によって海外からの自然科学が伝わらず、日本社会は長く自然の営みを独特な理解で受け止めていました。腐った草が蒸れて蛍になる頃という意味です。腐った竹や草の根が蒸れて蛍になると信じていたのです。まさか水中に棲む幼虫が光る蛍になって飛び回るとは想像できなかったのでしょう。腐草は「ふそう」「くちくさ」と読みます。「く...
2024.06.08 20:31味噌物語5 分類味噌には大きく分けて3つの分類方法があります。原料、味、色です。原料による分類は米、麦、大豆、これらを混ぜた調合に分けられます。味による分類は甘味、甘口、辛口に分けられます。辛さは塩分量で決まります。塩分が一定ならば麹歩合の高いものが甘くなります。麹歩合は大豆に対する米と麦の割合です。色による分類は赤系、淡色系、白に分けられます。大豆の色、大豆を煮るか蒸すか、麹が多いか少ないか、発酵途中でかき回す...
2024.06.07 18:40味噌物語4 味噌の種類大きく分けて4種類に分類されます。米、大豆、塩を原料として作られるのが米味噌。白味噌も含みます。国内生産の80%を占めます。麦、大豆、塩を原料として作られるのが麦味噌。中国、四国、九州で生産。国内シェアは5%。大豆、塩を原料として作られるのが豆味噌。中京地方で生産。国内シェアは5%。これら3種類のうち2種類以上を調合したもの、または米麹、麦麹、豆麹を混合したものを利用した味噌、あるいはこれら以外の...
2024.06.06 18:09味噌物語3 米麹米味噌、日本酒、みりん、酢、甘酒の原料になる米麹。マルコメは作り方を公開しています。1t単位で米を入荷します。それを精米して糠を落とします。ファイナルソーターという装置で色の悪い米や小さな石を除去。タンクの中に米と水を入れて米の中心まで十分に給水させます。それを水切りして蒸します。バラバラした外硬内軟という状態の蒸し米にします。これを30度まで冷やします。粉末にした麹菌をふりかけ種付けをします。円...
2024.06.05 19:53味噌物語2 麹の種類黄麹菌は味噌、醤油、清酒の製造に使われます。色は黄、黄緑、黄褐色。白麴菌は焼酎の製造に使われます。色は褐色。黒麹菌は泡盛の製造に使われます。色は黒褐色。紅麴菌は豆腐よう、紅酒、老酒の製造に使われます。色は紅色。サプリメントに使われて身体被害が出た事件が目新しいです。カツオブシ菌は鰹節の製造に使われます。水分の吸収、うま味成分の生成、油脂成分の分解を担います。米麹は米味噌、日本酒、みりん、酢、甘酒の...
2024.06.04 20:37芒種9/24きょうから二十四節気は9番目の芒種(ぼうしゅ)が始まります。芒は「ノギ」と読みます。ノギ偏のノギ。穂先にある針状の突起がノギ。これがある植物の種を播き、麦の刈り入れと田植えを行う目安とされました。梅雨に入り高温多湿の季節が始まることを知らせます。昨今はしとしと雨ではなく、雷、暴風雨、雹などが荒れ狂う梅雨になって、収穫が近づく野菜に大きな被害を与えています。七十二候は25番目の螳螂生(かまきりしょう...