2025.01.27 20:38畑の土作り9-施し方土に肥料を入れることを施肥(せひ)と言います。元肥の施肥には全面施肥と溝施肥があります。土面全体に施肥をしてよく耕して土に混ぜ込むのが全面施肥。葉物野菜や、ダイコンやニンジンのように直根性で肥料がじかに根にあたると困る野菜に向いています。溝を掘って施肥をして土を埋め戻すのが溝施肥。果菜類のように肥料を求めて根が伸びるナスなど生育期間が長い野菜に向いています。2024年の小雀農園。それぞれの野菜の種...
2025.01.26 20:31畑の土作り8-元肥作物の初期育成に必要な養分を補うための肥料が元肥です。堆肥や石灰にも養分が含まれています。最終的に元肥を施して土中の養分バランスを整えます。種まきや定植の1週間前がいいでしょう。野菜は生育に必要な肥料の量が決まっています。一度にたくさん施しても効果がありません。土の中に一定の養分が保たれ続ける状態が必要。栽培期間が長い野菜は元肥と追肥を施し、短い野菜は元肥のみで大丈夫です。とくにリン酸は土への浸透...
2025.01.25 20:21畑の土作り7-酸性度日本の土壌は雨が多くミネラルが流されやすいので酸性に傾きやすい傾向があります。また化石燃料の燃焼と火山活動などにより発生する酸性雨が大問題になっています。多くの野菜はpH6.0-6.5の弱酸性を好みます。酸性が強い土壌では根が傷み、根がリン酸を吸収しにくくなります。そこで石灰を投入して栽培する野菜に応じた酸性度に土壌を調整します。アルカリ性に傾くと生育が悪くなるものもあるので、石灰をたくさん使えば...
2025.01.24 21:02水沢腹堅71/72きょうから七十二候は71番目の水沢腹堅(さわみずこおりつめる)が始まります。沢に氷が厚く張りつめるという意味です。小雀農園はバケツやじょうろに残った水の表面が日の出の頃にはすっかり凍っています。北海道の層雲峡、青森県の奥入瀬渓流、茨城県の袋田の滝など滝が凍る「氷瀑」が有名です。長野県の諏訪湖。凍った氷が割れて筋になってせり上がる「御神渡り」の観察が連日行われています。しかし、大寒の日でさえ、朝の諏...
2025.01.23 20:57畑の土作り6-育土と養分堆肥は用途によって育土堆肥と養分堆肥に分けられます。育土堆肥は、落ち葉・もみ殻・草質・木質など植物質由来の堆肥です。養分は少なめですが、水はけや通気性などの物理性を改善し、土壌生物を増やして生物の多様性を高めます。土壌改良が主目的ですが、有機物マルチの素材にもなります。養分堆肥は、牛糞、鶏糞、豚糞、生ごみ、ボカシなど養分を多く含む堆肥です。主として野菜に養分を供給する肥料的な使い方をします。春の作...
2025.01.22 20:25畑の土作り5-堆肥水はけや保水性、通気性の良いふかふかの土を作るためには、よく熟した繊維分が多い堆肥を土に入れて耕します。堆肥は有機物(落ち葉、雑草、生ごみ、米糠、油粕、家畜の糞など)を微生物の働きで発酵・分解させたものです。堆肥の微生物は耕運によって土に移り、さらに堆肥の有機物が土壌生物の餌になり、土壌微生物が豊かになります。この微生物の働きにより病害虫の発生が減り、土の団粒構造が発達して、ふかふかの土ができあが...
2025.01.21 20:33畑の土作り4-化学肥料化学肥料は土壌生物の食べ物になりません。肥料成分に何らかの化学的加工を施したものが化学肥料です。鉱石や結晶そのものは天然の無機肥料、動植物遺体や排せつ物そのものは天然の有機肥料。これらに何らかの化学的加工を加えると化学肥料になります。植物の生育には17種類の必須元素が必要です。その中の窒素・リン酸・カリウムは肥料の3要素と呼ばれるほど重要です。植物の生育はもっとも不足している養分に制限を受けます。...
2025.01.20 21:54畑の土作り3-団粒構造大小の土が混ざり合った状態の土を団粒構造(だんりゅうこうぞう)の土と呼びます。適度な隙間があるので水はけや空気の通りがよくなります。土のかたまりに水や養分を蓄えるので水持ちや肥料持ちもよくなります。団粒のすきまには無数の微生物が棲みつきます。土壌生物が多様化すると野菜を害する特定生物がまん延しないので病害虫も発生しにくくなります。土の団粒化をはかるには土の中に棲む無数の活動が必要です。土壌生物が枯...
2025.01.19 20:50大寒24/24きょうから二十四節気はラストの大寒(たいかん)が始まります。長く日本社会では太陽の動きで農作業を準備し、月の動きで暦を数えました。一年の太陽の動きを24に分けたのが二十四節気。そのラストが始まります。大寒の最終日は2月2日。節分です。一年のうちでもっとも寒い時期を迎えます。3日間寒い日が続くと4日間暖かい日が続く、三寒四温はこの時期の気象現象です。七十二候は70番目の 款冬華(ふきのはな さく)が...
2025.01.18 22:03畑の土作り2-理想畑の土作りには3つの要素があります。生物性・物理性・化学性の改善です。物理性とは通気性・土の構造・水はけ・保水性。化学性とは酸性度・肥料成分。生物性とは生物の多様性。無数の土壌生物が盛んに生命活動をすると、団粒構造と呼ばれる理想の土が作られていきます。生物性がよくなると、物理性と化学性もよくなります。水はけがよくなると、さらに生物性がよくなるなど、互いに関連しあっています。これら3つの要素を改善す...
2025.01.17 19:21畑の土作り1-食の安全と安心食堂で使う野菜の一部を自分で作っています。野菜は季節によって旬が違うのでお店で売っているように、いつもあらゆる野菜を作ることはできません。その時期の野菜のあくまでも一部を手作りしています。料理に収穫した野菜を使っている時は店内にイラストで展示しています。多くの小売野菜には除草や除虫、病害を防ぐために農薬が使われています。安定的に収穫するために化学肥料も使われています。これらが人体に影響が出る基準以...
2025.01.16 20:25食用油5-天ぷら油一般的に天ぷら油と呼ばれる業務用油は白絞油(しらしめゆ)です。一斗缶など大容量で売られています。菜種油や大豆油の精製度が低い安価な油です。消泡剤を添加しているので長時間加熱状態にしても泡立ちません。脱蝋していないので生では使えませんが揚げものに向いています。蝋(ワックス)成分は常温で固まるので体内に残留します。家庭の揚物が時間とともにベチャっとなるのに対して、総菜や飲食店の揚物がいつまでもカリッと...