精進料理
来年開山から740年を迎える北鎌倉の円覚寺。小雨降る中、墓参に行きました。禅宗では修業僧の食事を司った役職「典座(てんぞ)」が調理を担当します。肉や魚の殺傷を禁じた仏教の戒律に伴い精進物のみを食材に用います。精進物とは野菜類・穀類・海藻類・豆類・木の実・果実などです。美食や肉食を避け粗食や菜食によって精神修養をする意味の仏教用語が精進で、これらを使った料理が精進料理です。精進料理の心構えを記した「典座教訓」では「食材に対する敬意を持つこと」「整理整頓を心がけ、道具を大切にすること」「食べる人の立場になって作ること」「手間と工夫を惜しまないこと」、そして料理をする上で「三心(さんしん)が大切であること」が説かれています。「喜心(きしん)=作る喜びやもてなす喜び」「老心(ろうしん)=思いやりや気配り」「大心(だいしん)=偏りや固執のないおおらかな心」が三心です。この教えはあらゆる料理や調理に通じる考え方ですね
8月15日(日)はお盆休み
No.735
8月14日の円覚寺山門。ひとの姿がなく静寂が境内を包んでいました
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