麻婆豆腐

四川(しせん・スーチョワン)省は中国西南部にあります。東西で気候風土が大きく異なります。州都の成都は2001年には人口が1000万人を超えています。パンダの85%が四川省にいます。西部の高原は冬に-36度を観測しています。東部には四季があります。四川の人々が好む「四川火鍋」は専門店で食べたことがありますが、口から火が出るほど辛くてしびれる熱々のスープでした。成都の万福橋のたもとに1861年(清朝末期)陳興盛飯舗が開店しました。肉や油を売る行商人が休憩がてら食事をとりました。近くに王豆腐店があり、行商人らは豆腐を買って売り残った豚肉と油を陳さんの妻に渡して料理を作ってもらいました。これが麻婆豆腐の始まりです。麻(天然痘の後に残るあばた)のある婆(身持ちの良い女性)が作る豆腐料理という意味です。1952年に来日した陳建民さんが辛さを抑えて東京で開いた店で初めて紹介しました。息子の陳建一さんが味を引き継ぎ店を大きく広げました。私は専門学校で陳建一さんから本場の麻婆豆腐の作り方を教わりました。豆腐の形を崩さない、スープではなく煮込んでしっかりあんで固める、四川の豆板醤を使うなど基本的な要素を食堂でも守っています

No.803


10月12日調理

佐々木食堂

食の安全と 安心を通して 健康寿命を 伸ばしましょう

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